戯言、石をも穿つブログ

~たわごと、いしをもうがつブログと読みます(笑)~

拾った財布、警察に届けますか?ちょっとした出来心で置き引き犯に。

先日、私の店でお客様が忘れていった財布を置き引きした犯人が

事件から1ヶ月ほど経ったのちに逮捕されたということがありました。


もちろん置き引きというのは犯罪なわけで許されることではないのですが

私はこの犯人に少し同情するとともに

これは悪気はなくても誰でも犯人になってしまう可能性があるなと感じたため

記事にしようと思いました。

財布が落ちていました。あなたはどうしますか?


何を打って遊ぼうかと目ぼしい台を見つけるために

パチンコ店をウロウロろうろしていたら、財布が落ちていました。

拾ったあなたはどうしますか?

①店員に届ける。
②ラッキーとばかりにくすねる。

私の経験上、店で財布を無くしたと言われカメラ録画で探した場合

②になってしまっているパターンがほとんどです。

きっちりデータを取っていませんが、体感80%以上は②だと思います。

驚きですよね?

「財布を落としたのに戻ってくる日本!すごい!」と

外国人観光客に称賛されている動画などをよく見ますが

やっぱり場所や状況で大きく違ってくるのだと思います。

先日のケースでもご多分に漏れず、くすねられてしまいました。

パチンコの監視カメラは、とても精巧


パチンコ店の事務所に出入りしたことがある人ならば

まず間違いなく拾った財布は店員に届けるはずです。

なぜか?

バレることが分かっているからです。

と言っても事務所に入ったことがある人なんて、店員か出入り業者ぐらいなものですね。

入ったことがない人は、カメラのモニターの量にたぶん驚くでしょう。

トイレ以外は完全にカメラの範囲を網羅しているパチンコ店がほとんどです。

録画再生も鮮明に映ります。ライブじゃなく再生なのにズームなんかもできちゃいます。


そして、お客様がなくされた場所、時間まで戻って再生してみると・・・。

はい。もちろんハッキリ映っています。

くすねた人は、週に1,2回ほど来店される常連の方でした。

犯人がまだホールにいた場合


ここは店の責任者によって取る行動が違うかもしれませんが

私は捕まえて警察に突き出すことなんてしません。それは最終手段です。

こういうときこそが、店員の腕の見せ所、話術の見せ所だと思っています。

まず、落としたお客様に見られないように、休憩所などに座って待ってもらうようにしておきます。

その後、犯人の元に行き休憩所の反対にある出入口まで来てもらい状況を説明します。

こんな感じにです。


「お客様。先ほど財布を拾われましたよね?(ここでは返事を聞かない)

 カメラに全て鮮明に映っているんですよ。

 いや、わかります。お客様のお気持ち。

 落ちていたら拾って取ってしまいますよね。私も取ってしまうかもしれません。

 お客様は悪くありません。

 わかりました!私がなんとかします!

 このままでは警察に通報しなけらばいけなくなるのですが

 元の状態で財布を渡していただければ、あとは私がうまくやります。

 どうか私に任せて下さい!

 財布を私に預けて頂けますか? 」


こう言えば、ほぼ100%で財布を返してくれます。

犯人が帰ってしまった場合

今回のケースでは、犯人はもう店を出てしまっていました。

こうなったら店員がやることはあまりありません。

落としたお客様に、被害届を出すか、出さないかを決めてもらいます。

財布ですからね。ほぼ、被害届を出す選択をされます。

そうなったら後は警察とのやり取りです。

捜査に協力する旨を伝え、録画データを提供します。

警察が言うには、これだけ鮮明に映っていれば証拠として十分とのこと。

また来店したり、近くで見かければ通報して下さいとのことでした。

画像データをグループ店、近隣店で共有


こういった犯罪のケースや悪質ないたずらがあった場合

グループ店に状況を説明して、スタッフが見やすいようなバックヤードの掲示板などに

犯人の画像を貼り出します。

もっとひどい事案でしたら、グループ店以外のお店にも

組合を通しお達しが来ることもあります。


今回の犯人は事件発生後、私の店には来なくなりましたが

隣町のグループ店に行き、掲示板に貼られていた画像と似ていると

スタッフから報告があり、私の店の役職が確認のため見に行ってみると

間違いないとわかり、通報→逮捕となりました。

まとめ

今回のケースで感じたことは

金が欲しいからパチンコ行って置き引きするぞ!と思って店内に入った確信犯ではなく

なにげなしに落ちている物を拾っただけで逮捕されてしまった。

誰にでも置き引き犯になる可能性があるってことです。


いやいや、財布は届けますよ!とお思いの方も

パチンコで熱くなってしまい5万円負けている状況だったら?

財布ではなくても、たまたま座った台に

前の人が忘れていった1000円分のICカードが刺さりっぱなしになっていたら

1,000円ぐらいだったらラッキーと思って使ってしまいませんか?



絶対にないって言いきれますか?



私も、パチンコ店で働いておらず、こんなにカメラが精巧ってことを知らなければ

たぶん1,000円だったら使ってしまう可能性が高いと思います。


無くされた方も、たぶん1,000円ぐらいでは被害届は出さないかと思いますが

でもそれは絶対にないとは言い切れません。

忘れられたICカードのお金をつかってしまい

次の休みの日に同じ店に行ったら、いきなり警察が来て逮捕!ってこともありえるんです。


ちなみに、置き引きでは以下のような罪が成立します。

窃盗罪
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

占有離脱物横領罪
刑法第254条
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料に処する。


今回はパチンコ店での事件でしたが

今のご時世、パチンコ店以外でも至る所に防犯カメラが付いています。

何かを拾ったとき、この記事のことを思い出して頂ければ幸いです。